2026/10/14

障がい者虐待防止・身体拘束廃止研修を行いました

障がい者虐待防止・身体拘束廃止研修を行いました

〜すべてのご利用者様が安心して過ごせるために〜

先日、当施設の職員を対象に、「障がい者虐待防止研修」と「身体拘束廃止研修」を実施しました。
外部講師の先生をお招きし、90分にわたって座学とグループワークを通じて学びました。
今回は、その当日の様子をご紹介します。

身体拘束は、なぜ問題なのか

研修は「身体拘束はなぜ問題なのか」という問いから始まりました。「正当な理由なく障害者の身体を拘束すること」は、障害者虐待防止法において身体的虐待に該当する行為です。たとえ利用者様の安全を守るためであっても、身体拘束はその方の自由と尊厳を大きく損ない、心身への影響や生活の質の低下につながります。

「安全のための一時的な対応」が、いつの間にか当たり前になってしまうことこそ、避けなければならない——。そんな基本を、あらためて職員一人ひとりが確認する時間となりました。

ワーク①:Aさんの気持ちを考える

身体拘束廃止研修の締めくくりとして、重度の知的障害があるAさんの事例に取り組みました。

Aさんは、言葉で自分の気持ちを伝えることが難しい方です。予定していた外出が急遽中止になった日、Aさんは大声を出し、自分の頭を何度も叩き始めました。職員が「やめて」と声をかけても興奮は続いたため、職員はAさんの安全を守ろうと、両腕をつかんで動きを止めようとしました。

この場面について、グループで次の2つを話し合いました。

①Aさんは、何を伝えようとしているのでしょうか?
②腕をつかむ以外に、どんな支援ができそうでしょうか?

「外出を楽しみにしていた気持ちをうまく伝えられない、もどかしさがあるのでは」「まず安全を確保しながら、気持ちに寄り添う声かけを」など、さまざまな意見が飛び交いました。

ワーク②:とっさの場面でどう動くか

虐待防止研修では、虐待の概念や、職員自身のメンタルヘルスの大切さについて学びました。最後のワークでは、グループホームでの事例を取り上げました。

20代男性のAさん。夕食の時間になっても居室から出てこないため、世話人が様子を見に行くと、Aさんは自室でゲームに夢中になっていました。何度声をかけても出てこないため、ついに世話人は怒鳴って、食事に出てくるよう指示します。

するとAさんは急に大きな声を上げ、まわりの物を投げて騒ぎ出してしまいました。落ち着かせようと近づいたところ、興奮の勢いでAさんの手が世話人に当たってしまいます。とっさのこととはいえ、世話人はAさんの顔を叩いてしまいました。

「この場面を目にしたとき、どのような初動対応を行いますか?」——この問いに対しても、職員から多くの意見が挙がりました。

「福祉に模範解答はない」という学び

いずれのワークでも、意見が尽きることのない白熱した議論が交わされました。そんな私たちに、講師の先生は「福祉の現場に模範解答はありません」と話してくださいました。

大切なのは、正解を一つ覚えることではなく、その人の立場や気持ちに立ち返り、状況に応じて考え続けること。そして、一人で抱え込まずにチームで話し合えること。事例を通じて、そんな視点を得ることができました。

おわりに

あっという間の90分でした。分かりやすく、そして私たちの日々の支援をあらためて見つめ直すきっかけとなる内容を届けてくださった講師の先生に、心より感謝申し上げます。

当施設では、これからも研修を重ね、ご利用者様お一人おひとりの尊厳を大切にした支援に努めてまいります。

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